読書」カテゴリーアーカイブ

『はさんではさんで』

夏休みの2冊目

甘木つゆこ『はさんではさんで』(マガジンハウス,2008)を少し読む。
第10回坊っちゃん文学賞大賞受賞作の表題作の他、1編が収められている。
タイトルの「はさんで」は、リストカットと同じく、主人公が手術用の鉗子で自らの身体を傷みつけることで、生きていることの実感を感じるという意味である。
つまらない以外の感想なし。

『包帯をまいたイブ』

夏休みの1冊目

第7回小説すばる新人賞受賞作、富士本由紀『包帯をまいたイブ』(集英社,1995)をパラパラと読む。
レズビアンバーで働く男役の女性が描かれる。センセーショナルな物語設定と展開の早いストーリーで、2000年代になって流行するケータイ小説の先駆けのような作品である。あまり感情移入できず、半分ほどで読了。

『ヒ・ノ・マ・ル』

大岡玲『ヒ・ノ・マ・ル』(新潮社,1992)を半分ほど読む。
厚労省に勤める国家公務員がある朝目覚めると、枕元に垢舐め妖怪が立っていたという状況から始まる純文学である。途中まで読んだが、淡々と日常が描かれるばかりで、イマドキの芥川賞作品にありがちな、日常の生活や日常見慣れている風景に対する違和感をテーマにしたような小説で、読むのをやめてしまった。

『バッテリーⅥ』

あさのあつこ『バッテリーⅥ』(教育画劇 2005)を読む。
シリーズ全巻を毎日のように読み続けた。全6巻の物語の大半が野球の試合のシーンではなく、中学1年生のピッチャーの原田巧を巡る人間模様であった。6巻目の最後の最後で納得がいく終わり方であったのでよかった。