林真理子『言わなきゃいいのに……』(文藝春秋 1987)をパラパラと読んだ。
ちょうど直木賞を受賞した頃のエッセーで、締切に終われ海外からファクシミリで原稿を送信するドタバタなどのエピソードが紹介されている。
「読書」カテゴリーアーカイブ
『食の精神病理』
大平健『食の精神病理』(光文社新書,2003)を少しだけ読む。
著者は東京大学医学部を卒業され、聖路加国際病院に勤務される精神科医である。『豊かさの精神病理』や『やさしさの精神病理』などの著作を出されているが、本作は二匹目、三匹目のドジョウを狙ったような作品で、何が言いたいのかよくわからなかった。
『工学部の総合的研究』
野口裕久監修『工学部の総合的研究』(旺文社,2005)をパラパラと読む。
旺文社が刊行している『螢雪時代』の焼き直しに近い内容で、工学部に属する学科の勉強内容や最新の研究が紹介されている。特に名前だけではよく分からない応用物理学や経営・管理工学、システム工学の分野が丁寧に解説されている。
『一度も植民地になったことがない日本』
デュラン・れい子『一度も植民地になったことがない日本』(講談社+α新書,2007)を読む。
著者は日本生まれの日本育ちで、博報堂のコピーライターとして活躍されていたが、スウェーデン人と結婚後、スウェーデンやオランダ、ブラジルに拠点を移し、東京と南仏を往復しながら日欧の文化交流に努めている。
個人的なエピソードが中心だったので、さらっと読み飛ばした。一つ興味を引いたのが、イギリスとフランスは敵対国だったので、悪いことはオランダ人の行為とした英語になったというところである。「ダッチ・ワイフ」(代用妻)や「ダッチ・ガール)(売春婦)、「ダッチ・アカウント」(割り勘)など、口にするのも憚られるような差別用語がいまだに流布している。
『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』
森川嘉一郎『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』(幻冬社,2003)を読む。
1980年代までは白物家電やオーディオ機器の販売が中心だった秋葉原が、1990年代に入るとパソコン中心になり、エヴァンゲリオンがブームとなった1990年代の終わりからオタクの聖地となっていった変遷が丁寧に説明されている。
著者は私と同世代で、早稲田大学大学院で建築学を学ばれており、現在は明治大学の国際日本学部で現代日本文化論を研究されている方である。後半は秋葉原論から離れるが、ラジオ会館の店舗構成の移り変わりやオウム真理教と『幻魔大戦』の関係など、興味あるテーマが多かった。