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「技能実習生 初の減少」

本日の東京新聞夕刊記事より。
共通テストで狙われやすい統計なので、国公立を志望している生徒は、記事内容も含めて読んでください。2021年時点での外国人労働者は173万人で、そのうちベトナム人の45万人、中国の40万人で半数が占められ、続いてフィリピンの19万人、ブラジルの14万人となっている。

この4カ国のうち、ベトナム、中国、フィリピンの3カ国とは経済連携協定(EPA)を締結している。EPAの協定国間では、労働ビザの申請もスムーズなため、上記のような数字になっていると考えられる。

ただし、ブラジルとはEPAを締結していない。ではなぜブラジルからの労働者が多いのか。こちらも授業中に触れた点だが、太平洋戦争前後に日本からブラジルへ渡った日本人が多くおり、ブラジルで生活している日系3世までは、日本政府は労働ビザではなく定住ビザを発行しているためであると考えられる。

授業中にアントニオ猪木さんについて触れました。そんなエピソードも共通テスト攻略のヒントになるかもしれません。

「エジプト 再エネ増 電力輸出を後押し」

本日の授業で紹介した記事である。
エジプト内陸部の砂漠で、100万世帯以上分の発電能力を備えたメガソーラーが稼働しているとの記事である。37万平方キロの敷地ということは、東京ドーム800個分の広さである。
授業ではエジプトの気候(BW)と日本の気候(Cfa)の比較から、日本では太陽光発電に限界がある点を説明した。また、日本は国土の75%が山地となっており、そもそもメガソーラーを設置できるだけの敷地がない。山地を利用しようとすれば、盛り土で造成しないと、ソーラーパネルをしっかりと固定することができない。しかし、盛り土した部分は大地震や大量の降水によって地滑りを起こしやすくなる。

こうした記事を読むたびに、日本は天然ガスで20〜30年の急場を凌ぎながら、地熱や洋上風力、海流など、日本周囲の地形を活用したエネルギー開発に注力すべきだという持論に立ち返っていく。共通テストで高得点を狙うノウハウも伝えながら、地形とエネルギーの関係について、生徒と一緒に答えを探す授業を提案していきたいと思う。

「英 温暖化防止へ『肉断ち』浸透」

 本日の東京新聞夕刊記事より。
英国で完全菜食主義が浸透しつつあるという。記事では嫌われ者となっている肉類は人件費や輸送コストが高くつき、牛肉1キロ生産するのにとうもろこしは11kg必要となるなど、お金と環境負荷の高い食材である。そのため、地理では一人当たりのGNIと肉食率は比例すると教える。

しかし、日本と一人当たりのGNIが変わらない英国で肉食が減ってしまうと、上記の地理の定理が崩れてしまう。卵も食べないとなると、必須アミノ酸を含む動物性タンパク質はどうやって摂取するのであろうか。魚? 昆虫?

「環境相、盛り土を問題視 メガソーラー見直し要求」

本日の東京新聞朝刊記事より。
先週、今週と授業の中で共通テスト地理Aの演習を行った。即答できるほど簡単だったが、盛り土からの崖崩れに関する問題が出題されていた。昨年の7月に静岡県熱海市で盛り土を含む土砂災害があり、20人を超える犠牲者を出した事件事故が記憶に新しい。崩落起点から南西に20 – 30 m離れた所に太陽光発電施設があったことも問題視された。また、事前段階で盛り土の危険性を見逃してた行政への批判も起こったところである。記事ではメガソーラー建設に伴う森林伐採と盛り土造成に対し。環境大臣が意見書を経済産業省に提出したとある。国土交通省や埼玉県、小川町ではなく、環境相というところが驚く。

化石燃料に対する批判が高まるのに比例して、再生可能エネルギーの主力でる太陽光発電に大きな期待が寄せられてきた。しかし、記事ではメガソーラーの設置そのものが環境と周辺の安全性を脅かしている     説明