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千鳥ケ淵戦没者墓苑

本日の東京新聞の朝刊に、社民党が東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑を拡充、整備して「無宗教の国立戦争犠牲者追悼施設」とするよう求める提言を、来月9月にも正式発表するとの記事が載っていた。福島瑞穂党首が15日の追悼集会で「すべての戦争犠牲者をきちんと追悼することが今の政治に求められている」と強調したとのことである。
全く同意である。A級戦犯を含め、(侵略)戦争を戦った日本軍もしくはそれに準ずる関係者のみを合祀し、戦争の一番の犠牲となった一般市民や外国人は排除されている。そうした偏った合祀を続ける靖国神社を国が公式に参拝するということは侵略戦争を肯定することにつながる。社民党では千鳥ケ淵墓苑を「すべての戦争犠牲者を追悼するとともに、二度と戦争をしないと誓う場」としたいとしているが、天皇や内閣全員が千鳥ケ淵に参拝し、国民に二度と戦争をしない国家作りの姿勢を示す必要があると考える。

『さらば外務省:私は小泉首相と売国官僚を許さない』

先日東京新聞(2007年8月3日付夕刊)を読んでいて、先の参議院選挙に「9条ネット」から立候補した元駐レバノン大使の天木直人氏の発言が気になった。天木氏は、2003年8月に当時の小泉純一郎首相へ米国主導のイラク戦争を支持しないよう意見具申した公電を送ったことで実質的な解雇処分を受け、外務省や政府の外交政策を実名を挙げて批判した人物で知られている。その天木氏は東京新聞の記事で次のように発言している。

憲法9条を守らなくてはいかんという強い思いを持ったのは外務省を辞めてからなんですよ。在職時は今の憲法を未来永劫変えないという考え方が果たして国際政治の中で通用するのかと思っていた。少なくとも攻めてきた時には戦わなくてはいかんじゃないか。そのためには軍隊は必要じゃないか。(中略)ところがよく考えてみると、現行の憲法を一字でも変えたら、果てしなく軍備拡大につながっていくのじゃないかと。(中略)特に今の日本の置かれている状況を見た時、アメリカが日本を守るというよりも世界征服のために自衛隊を使おうとしているとしか思えない。今のアメリカのテロとの戦いへの協力は拒否すべきだと思う。

つまり天木氏は憲法9条護持の一点突破こそが、米国追従の日本の政治の脱線を防ぐ求心点だと述べるのである。そしてそれを政策として立案するために参院選に立候補したということだ。

夏の12冊目
そこで、天木直人『さらば外務省:私は小泉首相と売国官僚を許さない』(講談社 2003)を読んだ。

折りしも、昨日付けの東京新聞朝刊に小沢民主党代表がテロ対策特別措置法について、「ブッシュ大統領は国際社会の合意を待たずに、米国独自で開戦した」と指摘し、「日本の平和と安全に直接関係のない地域で米国と共同の作戦はできない」とし、「米国の活動は国連で直接にオーソライズされたものではない」と延長に反対する意向を米国に伝えたという。世界の平和も外交も経済も国連中心主義がよろしく、国連お墨付きの平和活動であれば、9条に抵触しないといった解釈主義が小沢氏の持論であるが、この点については小沢氏はここ10数年あまりぶれていない。93年のPKOの頃では、小沢氏の見解は専守防衛を旨とした平和憲法の9条の精神を大きく逸脱するものだと批判を浴びたものである。しかい、ここ数年の小泉・阿倍内閣における米国盲信の日米同盟の錦の旗の下、テロ対策特別法や有事関連法、自衛隊派遣法の全てがまかり通ってしまう自民党ごり押し政治に比べると、まだ手続きを重視しているだけマトモに見えてしまう。

天木氏も指摘している通り、

「スポット派遣」

本日の東京新聞の特集に、「スポット派遣」労働者の雇用環境についての特集記事が載っていた。スポット派遣とは携帯電話などで前日に登録派遣会社から仕事を受け、倉庫作業などの日雇いの仕事をする業態のことである。ちょうど十数年前下落合にあった「ガクト」の携帯版といったところか。(分かる人には分かる)
東京新聞の解説によると、そうしたスポット派遣なるものは1999年の労働者派遣法で解禁され、全国で昼夜問わず1日7万回分の仕事が供給されているとのこと。しかし、雇用の不安定さや安い賃金から、漫画喫茶などで寝泊まりする「ネットカフェ難民」になる人びともおり、格差社会の象徴として問題視されているということだ。
先日読んだ三浦展著『下層社会』でも指摘されていたが、団塊ジュニア(現在36歳〜28歳くらい)世代は、学卒期がちょうど「失われた10年」の就職氷河期とぶつかっており、正社員として就職出来ないため、とりあえず派遣から就職していく者が多かった。私の友人にも不本意な就職をする者がいたが、未だに正社員として就職できず非常勤の仕事を続けている者も少なからずいる。

明後日に参院選を控えているが、格差を助長してきた自民党や、正社員や公務員の地位向上を訴える政党や候補者ではなく、不景気の煽りを食った底辺に位置する団塊ジュニア世代がきちんと「再チャレンジ」できる社会構造改革や施策のビジョンを具体的に持っているところに一票を投じたいと思う。

本日の東京新聞の精神科医斎藤学氏のコラムが興味をひいた。斎藤氏は高みに立って物を言う人物であまり好きではないが、下記の論は正鵠を得ている。

ここのところ日本社会は上流と下流に分極化しているそうだが、もっともあからさまな「格差社会」は政界だ。世間では通用しそうもない素朴なアナクロ中年が首相をつとめられるのもそのせいで、要するに人材払底ということではないか。その男は力み返って「戦後レジームの脱却」などと言っている。この人、妙に真面目で「祖父さんの志」を継ぐなどと言っているから怖い。
この祖父さんこそ戦前から続く日本の暗い部分を戦後社会に混入させた男だ。防衛庁を防衛省にし、自衛隊は軍隊にする。教育基本法は改定を重ねて教育勅語にまで持って行く。そういうことを目論む連中が一定数いて、現首相のような「半わかり」を担ぐのだ。

小渕首相の在任時も「真空総理」などと揶揄されたが、ブッシュ米国大統領の背後にいるネオコンや戦前の天皇の勅命を錦の旗にした軍部独走体制も同じで、訳の分からないトップの影に潜って蠢く集団というのが一番気持ちが悪い。

『軍事同盟—日米安保条約』

山本皓一・松本利秋『軍事同盟—日米安保条約』(クレスト社 1996)を読む。
長い間本棚に眠っていた本であるが、普天間基地移転の問題が浮上している今、もう一度沖縄基地問題を頭の中で整理したいと手に取ってみた。日米安保条約の条文を紹介しながら、日米安保と日米地域協定に縛られる沖縄住民と在日米軍の日常生活を写真を交えて描く。改めて日米安保を読み返す良い機会となった。
ニュースなどで何気なく「キャンプ・ハンセン」や「キャンプ・シュワブ」といった名前を聞くが、「ハンセン」や「シュワブ」という名は、沖縄の土地の名前ではなく、太平洋戦争時の沖縄攻略の戦功者の名前であったことを知った。沖縄の置かれている状況を象徴している。リポートをまとめた松本氏は、日米の二国間の安全保障問題として捉えるのではなく、米軍の世界—アジア展開の意図と軍事の実際から考えていく必要を説く。

本日の東京新聞夕刊で、カーター元大統領のコメントが記事になっていた。カーター元大統領は、現ブッシュ政権に対して、「米国の根本的な価値観を完全にひっくり返し、ニクソン、レーガン、(父親の)ブッシュら歴代大統領が築いた政策から急速に離脱した」と批評し、「世界に害毒をまき散らした史上最悪の政権」と痛烈にこき下ろしたそうだ。さらにブレア英首相に対しても「嫌悪感を抱かせるほどブッシュ大統領に追随した」と述べ、「ブッシュ大統領の浅はかなイラク政策を一貫して支持したばかりに、世界に大きな悲劇をもたらした」と酷評したとのことである。では、何の根拠も信念もないまま米国を盲信する小泉前総理、阿倍現総理の責任は果たしていかほどなのか。