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「大間」差し止め訴訟

本日の東京新聞朝刊に、津軽海峡に面する青森県大間市に建設中の大間原発建設の差し止めを求め、津軽海峡を挟んで半径30km圏内にある北海道函館市が電源開発社(Jパワー)と国に対して訴訟を起こすという特集記事が掲載されていた。

函館市は原発事故の防災重点地域の緊急防護措置区域に位置するにも関わらず、原発建設や稼働の同意手続きに関与できず、工藤函館市長は「再三再四、建設の凍結を求めてきたが、聞き入れられなかった。訴訟を起こすしかない」と憤りの述べている。また、大間原発の国の許可が福島原発事故の前の旧審査基準によって出されていることも問題視し、「原発事故前のいいかげんな審査指針で、(建設)許可が出されている。それに基づいて工事も再開している。そんな許可は無効だ」と述べる。

大間原発は使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜた混合化合物(MOX)燃料を100%使用する世界初のフルMOX原発である。プルトニウムを使用しているということは、一度事故を起こせば半径30kmの市町村のみならず、津軽海峡も全て汚染されるという結果を引き起こす。工藤市長は「津軽海峡は国際海峡で、ほかの地域と比べ、外国のゲリラ船も入りやすい。世界一危ないフルMOXで、世界一テロに弱い原発ができあがることになる」と危機感を募らせている。

小さい自治体の隣接区域をわざわざ探し出し、補助金の色分けなどによって、地域全体で反対の声がまとまらないように分断し、危険な原発を補助金行政に苦しむ地方に押し付ける国と電力会社の狡猾で強引な手法が露となっている。

本日の夕刊から。

本日の東京新聞夕刊に、東京都内の複数の図書館で「アンネの日記」のページが破られる被害が相次いでいるとの記事が載っていた。日本図書館協会関係者によると、被害は200冊を超え、ナチスの強制収容所アウシュビッツに関連する複数の書籍も手で一気に破った跡があったそうだ。日本で「アンネの日記」を破る思想犯はイメージし難く、おそらくはファナティックな個人の犯罪なのであろう。
また、ユダヤ人の少女アンネ・フランクが綴った「アンネの日記」が、ユネスコが認定する「世界記憶遺産」に登録されているという事実を初めて知った。
「自然」「文化」に加え、「記憶」まであったとは。

また、タイミングを合わせたかのように、海外面にアウシュビッツの元看守3人がドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク州の捜査当局に拘束されたとの記事が載っていた。3人はそれぞれ、88、92、94歳で、虐殺を幇助した疑いが持たれている。また家宅捜索で、ナチスの親衛隊(SS)だったことを示す書類も押収されている。
ナチス親衛隊の残党が生き残っているなんて言うのは、一昔前の映画や小説のような話である。太平洋戦争時の残留日本兵のように、現代という時代に「歴史」がさまよいこんできたような感覚である。

同じ海外面に、オバマ米大統領がチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世とホワイトハウスで会談するとの記事が載っていた。国家安全保障会議(NSC)は声明で「チベットで続く緊張や悪化する人権状況を懸念している」と指摘し、中国における宗教の自由や人権の保障の重要性に言及している。一方、中国はダライ・ラマをチベット独立派と見なしており、ダライ・ラマの訪問を外国が受けれたり、公的立場の人物が会談したりすることに強く反対している。
記事を読みながら、チベットを出汁にした米国と中国の醜い覇権争いにすぎないとしか思えなかった。米国が「人権」「自由」「民主主義」の錦の御旗を振りかざして進出してくる地域において、「憎悪」と「紛争」と「貧困」がはっきりと形を表してくるのである。米国こそが世界紛争の教唆犯だという事実をしっかりと見定めいこう。

ベネズエラ 反政府デモ激化

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本日の東京新聞朝刊に、ベネズエラでマドゥロ大統領の辞任を求める反政府デモが激化しているとの記事が掲載されていた。マドゥロ大統領は、反米左派のカリスマであったチャベス大統領の死去に伴い、後継者として4月に就任している。しかし、年56%という高いインフレ率に加え、トイレットペーバーなどの日用品や食料品が不足する状態が続き、首都では広範囲な停電も頻発しており、学生を中心とした反政府デモが相次いでいる。
しかし、反米左派の政府と対立しているのは親米右派の市民であり、米国や米国と軍事同盟を結んでいるコロンビア政府が反政府運動を裏から支援しているとの報道もあった。米国の陰謀を示す確たる証拠は無いようだが、おそらくは米国の間接的な支援は受けているのであろう。

この報道記事を読みながら、昔読んだ五木寛之の『戒厳令の夜』(1976 新潮社)のラストシーンだったかに出てきた「チリ・クーデター」を思い出した。1970年にチリの大統領に就任した人民連合のサルバドール・アジェンデ博士に対して、アメリカ政府に支援された反政府勢力が軍事クーデターを起こし、首都サンティアゴを制圧し軍事政府を打ち立てたという事件である。

米国の南米支配の手管は40年を経ても何ら変わりはない。世界的に展開されるこうした「敵の敵を支援する」という米国のやり方はしっかりと覚えておきたい。

「大学生 秘密保護法反対デモ」

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本日の東京新聞朝刊の社会面に、大きく大学生のデモの様子が伝えられていた。
ツイッターで呼びかけで150人が集まったとのこと。
時代の流れを感じる。
裏で○○が糸を引いているとか、実は××などの邪推はしたくない。

秘密保護法の問題は原発や戦争、国際政治の問題に直結している。
是非とも、一回だけのデモに終わらせず、長続きするやり方を考えてほしい。
マスコミや評論家の論調を追うのではなく、大学生という立場から秘密保護法の問題について突き詰めていってほしい。

「ウィ・シャル・オーバーカム」

本日の東京新聞朝刊コラムに、「will」と「shall」の違いに触れながら、1950、60年代に人種差別解消を求めたアメリカ公民権運動のテーマソングともなった「ウィ・シャル・オーバーカム」の曲を歌ったフォーク歌手ビート・シーガーさんが、今月27日に94歳で亡くなったという話が掲載されていた。元々この歌の原曲は、黒人のチャールズ・アルバート・ティンドリー牧師が1901年に発表した霊歌であり「アイ・ウィル・オーバーカム・サムデー」といったそうだ。主語は「私」だけであり、助動詞も「shall」よりも消極的な意味合いの「will」だった。しかし、ある黒人女性の「こっちの方が好き」と言ったのがきっかけで、現在の曲名になったそうだ。
曲を口ずさむと、童謡や地方歌のような生活感と、メッセージの力強さが心の底からわき上がってくるような雰囲気を感じる。革命歌として「K点」越えであろう。ソチゆえに寛大な措置を(ノッさん風で)。