『白く長い廊下』

川田弥一郎『白く長い廊下』(講談社1992)を読む。
医療事故をキッカケとして、県下の病院における大学の勢力争いが過熱化していくという内容である。特に大学の医局を中心とした学閥体制は強固に残っており、数々の弊害を生み出しているという指摘は現在放映している『白い巨塔』にも通じるテーマであり、今後もしばらくは続いていくのだろう。

先日仕事で中学入試を検討する機会があった。中学入試では出てくる文章や設問の全てにおいて、小学校必修の「教育漢字」以外の漢字には全てふりがなを振らなくてはいけない。「教育漢字」は1945字から成る常用漢字の約半数の1006字で構成され、小学校の学年別に配当されている。しかし日常頻度の高い漢字を集めているとの事だが、「天皇陛下」の「陛」、「皇后」の「后」が小学校6年生に配当されているというのは、いかにも出来過ぎだ。果たして1億2千万の日本人のうち、「陛」という字を使う人間は何人いるのだろうか。少なくとも私は書けと言われても躊躇してしまうだろう。

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