『世界ケンカ旅』

大山倍達『世界ケンカ旅』(徳間文庫1985)を読む。
極真空手創設の頃のマス大山の海外での冒険潭である。誤解を覚悟で言えば、「いんちきくさい良書」といったところだろう。ナイフやこん棒を手にした相手に果敢に戦ったという話がもっともらしく書かれているが、恐らくは脚色もかなりあるのだろう。しかし事実であるかどうかは問題ではなく、大山倍達自身に魅力を感じればよいのである。彼自身空手を通じた平和の達成という夢あることを述べている。勝つか負けるかという勝負を超えて、青年に生きていく希望と夢を与える格闘技が求められる。年末も紅白歌合戦の裏で格闘技の番組が中継されたが、地下プロレス的なショー以上のものではなかった。

現在の「格闘技」と一般に呼ばれるジャンルは極真や極真周辺の空手やキックボクシングの団体と、プロレス団体が集まって形成されている。その仲介役としてUWFやUインタ−、リングス、パンクラス、グレイシーなど様々な試みの場が生まれては消えていった。

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