教科書検定

昨日、文部科学省は2006年度から使われる中学校用教科書の検定結果が発表した。

文科省は従来、学習指導要領の範囲を超える記述を認めなかったが、内容を削減した新指導要領が批判を受け「指導要領は最低基準」と方針を変更し、教科書に発展的内容の記述を可能とした。子どもの理科離れの危惧が指摘され、特に理科や数学の発展的内容が増加しているのが特徴である。

教科書検定の是非は措いといて、理科の教科書に発展的内容が追加されたのは歓迎したい。現在中学校の化学の復習をしているのだが、現行の中学校の教科書では、元素の周期表の記載が認められておらず、覚えるべき基礎的な元素記号のみしか載っていない。元素を体系的に覚えることが出来ず、化学反応の公式がかえって理解しにくいものになっている。公式の暗記よりも興味・関心を高めたいという学習指導要領の狙いなのだろうが、化学分野は基礎的な化学反応を概念で捉えないと逆に興味も生まれにくいと感じる。物理も同様で公式の暗記に意味がないとして、物体の運動や電気の流れなど不自然に日本語で説明がくり返されており理解にとまどってしまう。高校入試の参考書よりも、大学入試の基礎問題集の方がよっぽど理解しやすいという変な現象が起きてしまっている。高校入試レベルの理科を徹底することは、いんちきな宗教や政治にだまされないための民主主義教育の根幹である。

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