中沢新一『リアルであること』(メタローグ 1994)を読む。
新聞や雑誌に連載した論文をまとめたものである。しかし、あまりに話が抽象過ぎて、読みやすいのか文章なのか、読みにくい文章なのかもよく分からなかった。途中で興味を失い、半分ほどで読むのを止めてしまった。
中沢氏のような考え方を、果たして構造主義と称するのか、脱構造主義にカテゴライズするのかよく分からないが、あらゆる宗教、イデオロギーを相対化して、フロイトの理念を借りながら、現世界での向上を追究する「エロス」と現世界を否定して別世界を希求する「タナトス」に分類する。中沢氏の分類によると、キリスト教や仏教、イスラム教などは「エロス」であり、ユダヤ教、チベット仏教、そしてマルクス主義などは「タナトス」に分類されるという。
この世のパラダイムを二項対立的に巧みに語るのであるが、いまいちよく分からなかった。
『リアルであること』
コメントを残す