本日の東京新聞朝刊に、中国西部の新疆ウイグル自治区で生産された「新疆綿」を巡って、日本の10社を超えるアパレル企業が、調達の見直しに動いていると報じられていた。
新疆ウイグル自治区は住民の大半がイスラム教徒であり、言語も文化も中国東部とは大きく異なる。そのため中国政府は漢化政策をゴリ押しし、思想統制を目的とした強制労働やウイグル人を根絶やしするための強制不妊手術などの人権侵害を繰り返している。そうした中国政府のやり口に圧力をかけるため、米国バイデン大統領を中心に、中国に対する経済制裁の動きが広がっている。今回の記事もそうした流れに沿ったものである。
人権弾圧を行う政権に対して、周辺国が協力して経済封鎖をするというのは戦略として間違っていない。ただし、この新疆綿に対する経済制裁は、果たして中国政府に対してメッセージが届くのであろうか。むしろ新疆ウイグル自治区の経済だけが悪化し、中国政府の介入をより招く結果になりはしないかと疑問を感じてしまう。