『銀河宇宙オデッセイ 別巻』

NHK取材班『銀河宇宙オデッセイ 別巻:ビジュアル 宇宙がわかるデータブック』(日本放送協会 1991)をパラパラと読む。量子力学やらダークマターなど、数式も入ってきてよく分からなかった。唯一「星の死」の項が面白かった。質量が太陽の10倍以上もある恒星が老年期を迎えると、重力崩壊が起こる。

恒星内部のあらゆる物質に火がつき始め、中心温度が30億度にもなると、鉄の原子核がつくられ始める。鉄は元素の中で最も安定しているために核融合をしない。その結果、星の中心は収縮に次ぐ収縮で50億度もの高温になる。これほどの温度なると、鉄の原子核が破壊され、ばらばらの中性子や陽子になり、重力崩壊を起こす。

重力崩壊が始まると、星は急激に収縮し、中心密度が1立法センチあたり100万トンにもなると、ニュートリノですら、星の外に出られなくなる。密度が2億7000万トンを超えると全ての原子核は押し潰され、星の中心は中性子でできたガスになる。そして中心密度が1立法センチあたり4億トンになると、太陽の100億倍の明るさまで輝き出し、星全体が宇宙空間に飛び散っていく。これが超新星爆発である。