中山惣次・中山豊子『奥の細道を歩く:〈還暦からの挑戦〉二千キロ道中記』(まつ出版 1997)を読む。
タイトルの通り、定年になってから体力の強化に努め、東京千住から岐阜大垣までをすべて自分の足で踏破する2ヶ月弱の奮闘記である。途中数カ所で妻や姉妹、甥が同行しサポートするが、基本的には著者一人で忠実に300年前の芭蕉の道を辿る。車に荷物を積み、一度自分の足で歩いて、電車で戻り、さらに車で到達先の宿泊先に停めるという大変手間のかかる方法で旅を続ける。古文の解説書にありがちな「上から目線」ではなく、ごく普通の人のおじさんの目線で風景を捉え、そこで生活する人々との交流が描かれる。
読んでいるうちに、私も芭蕉の目指したという歌枕、とりわけ芭蕉にとって一番の目的地であったといわれる「象潟」に行ってみたくなった。
『奥の細道を歩く』
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