井上孝治写真集『子どものいた街』(河出書房新社 2001)を眺める。
井上氏は1919年に生まれ、3歳の時の事故で聴力と言葉を失い、言葉のない写真の世界に身を置いた人物である。主に1950年代の風景を中心に、団塊やその少し上の世代が街中に溢れていた頃の写真が収められている。
アスファルトで覆われていない街の様子が新鮮だった。
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関宿城までぶらぶら
『オールカラー版 ブラックジャック』
手塚治虫『オールカラー版 ブラックジャック』(秋田書店 2004)を読む。
一冊で分かる総集編のような内容で、無免許医師ブラックジャックの凄腕が発揮されるエピソードや、ブラックジャックの生い立ちやピノコの正体が明らかにされる挿話など11編が収録されている。
「内戦複雑化 終息見えず」
本日の東京新聞朝刊に、大国や隣国の思惑が交錯するシリアの情勢が報じられていた。2010年の「アラブの春」以降、地中海への足場を確保したいロシアが支援するアサド政権と、アメリカが支援する反政府組織との間で激しい戦いが継続している。さらに内戦の間隙を縫って過激派組織「イスラム国」が勢力を拡大してきた。また「国家を持たない世界最大の民族集団」とも呼ばれるクルド人が自治権拡大を狙うと、隣国トルコが介入を繰り返している。そうこうする内に、イランまでがシリア内戦に加わり、さながら、世界紛争の見本市のような惨憺たる状況となっている。
今年度の地理の授業でふれたが、このシリア内戦から逃れたシリア難民がヨーロッパに流入することで、難民に寛容だったドイツ・メルケル政権に批判が高まり、英国はEUを離脱するなど、大きな国際政治の火種ともなっている。
次年度の地理の授業でも、こうした動きについてフォローしていく説明に工夫を凝らしていきたい。