みかづき紅月『独身社長に寵愛されました。:深夜オフィスのシンデレラ』(KADOKAWA 2014)を読む。
ライトノベルから、ファンタジー小説、ボーイズラブ、男性向けアダルト小説、18禁ゲームシナリオまで幅広いジャンルの作品を手掛ける作者による女性向けのアダルト小説である。
女性を対象とした作品ということもあってか、目立たない控えめな性格の主人公が、ある日突然社長に採り入れられ、美しく淫らに変身し、誰もが羨む宝石販売のモデルとなる、といった典型的なシンデレラストーリー仕立てとなっている。
自分から積極的に仕掛けるのではなく、自分ではどうしようもないサプライズな状況に戸惑い、身も心も美しく生まれ変わり、誰もが憧れるアイドルになってしまう展開が女性の憧れなのだろうか。
月別アーカイブ: 2017年12月
『読書は「アウトプット」が99%』
藤井孝一『読書は「アウトプット」が99%』(三笠書房知的生き方文庫 2014)を読む。
一時期読書のハウツー本や速読術などの本にハマったが、久しぶりに手にとってみた。
起業を目指す人や同業のコンサルタントを主な読者層とし、本を読む意義、アウトプットして活用する効果、本を読む時間の捻出など、読書をめぐるノウハウについて分かりやすく書かれている。
上記のような私のこうしたいつもながらの読書日記のスタイルであるが、読みにくいまとめ方である。
筆者は本書の中で次のように述べる。
書評を書くにはコツがあります。
その本に「何が書いてあったか」「そこから何を学んだか」「それをどう活かすか」。この3つを柱にしてまとめるのがポイントです。
何が書いてあったかという内容の説明と、面白い面白くないという感想は誰にでも書けます。しかし、「何を学んだか」はその人のオリジナルの意見になります。
私の子どもが学校の読書感想文の課題に悩んでいたので、「3つのポイントで書けばいいんだよ」とアドバイスしたところ、なんと賞をもらっていました。この3つのポイントを踏まえれば、読み手にわかりやすく、その本から何を吸収したのかを的確に表せるのでしょう。
また、本のあらすじは裏表紙やアマゾンに書いてあるものを引用するのではなく、自分なりにまとめるのがベストです。繰り返すうちに、文章力も要約力も相当鍛えられます。
「要約+コメント」の書評スタイルは、あなたの”伝える力”も伸ばしてくれるのです。
『インド人の頭の中』
冬野花『インド人の頭の中』(中経文庫 2009)を読む。
著者はニューデリー在住のフリーライターで、実際の庶民の中で生活している経験から、仕事がやたらめったらに細分化されているカースト制度や日本語と語順が同じヒンドゥー語、富裕層と貧困層の新たな格差の拡大など、日本とは正反対の国について愛情と苦情を交えて語られる。
『インドビジネス』
島田卓『インドビジネス:驚異の潜在力』(祥伝社新書 2006)を読む。
インドで日本企業進出のアドバイザーの会社を立ち上げた著者が、少子高齢化が世界最速で進む日本と世界最大の英語や数学に堪能な若年労働者を抱えるインド両国のビジネス連携の可能性を語る。
『世界恐怖旅行』
大井優子『世界恐怖旅行』(彩図社文庫 2011)を読む。
モロッコやタイ、モンゴル、韓国の街中やホテルでの詐欺やぼったくりなどの失敗談や、バスやカフェで知り合った人との怖い体験が綴られている。
読みやすい文体で一気に読み終えた。ただし、著者自身の経験を通して語られているため、貧困や犯罪など、その国に対する偏見を助長するような体験談が多いのが気になった。