読書」カテゴリーアーカイブ

『新型インフルエンザが日本を襲う!』

大西正夫『新型インフルエンザが日本を襲う!:恐るべき強毒性ウイルス』(ランダムハウス 2009)を読む。
15年前の本であるが、近い将来、中国発祥のインフルエンザが爆発的に流行し、スペイン風邪(インフルエンザ)を超える死者が出る危険性があると警鐘を発している。そして当時進められていたタミフルの備蓄やワクチン接種、在宅勤務などの行動計画が紹介されている。

著者は初期行動が大切であるとし、「転ばぬ先の杖」の対策を早急に進めるべきだと述べる。しかし、事態は想定を軽々と超えてくるので、臨機応変に判断・対処できる国民を育てていくことが大事ではないかと思う。

『草食系男子の恋愛学』

森岡正博『草食系男子の恋愛学』(メディアファクトリー 2008)を読む。
若い時に読んでおきたい本であった。恋愛の初手は女性の安心感であり、次の一手は共感である。そうした安心感を得るための話し方や振る舞い、そして共感を得るためのコミュニケーションが丁寧に説明されている。そして最後は恋愛の最後の決め手は人間的魅力であるという。人間的魅力といっても肩肘張ったものではなく、自身の弱さや夢に向かって進むこと、優しさであると述べる。
最後に筆者は次のように述べる。

いまから振り返ってみれば、あの暗黒の青春時代(親友も恋人もおらず、留年したため親との関係も悪化し、図書館で借りたレコードと名画座での映画三昧の日々)に食い入るように観続けた映画の体験こそが、現在の私の感受性の根本を形作っているということに気づくのである。あのときの映画体験がなかったなら、いまの私はなかったであろう。
10代から20代にかけての感受性の強い時期に、何の目的もなく観続けたがゆえに、それはいまになって私の感じ方や考え方の血肉となり、私の精神生活を深いところから支えていると言えるのである。
そのときに知らず知らずのうちに身についた感受性は、私のかけがえのない財産である。だから私はいま確信を持って言える。大学の授業に行かなくてよかった、映画ばかり観ていてよかった、暗い青春でよかった、と。

『色彩』

大井義雄・川崎秀昭『色彩:カラーコーディネーター入門』(日本色研事業 2002)をパラパラと読む。
大学や短大、美術系の専門学校で使用されているテキストで、現在も版を重ねている。著者の一人の川崎氏は桑沢デザイン研究所を卒業し、女子美術大学の教授も務めている。

最後のJIS慣用色名の一覧が目を引いた。山吹色や鴇色、紅梅色、錆浅葱色などの和名と、オリーブグリーンやマルーン、ライラックなどのカタカナ名が入り混じっている。えんじ色は漢字で書くと「臙脂」であり、カイガラ虫を原料とする染料で染められた色ということだ。「四十八茶百鼠」という諺にみられるように、利休鼠色や藍鼠色、銀鼠色などの色名もみられる。

『消防車が好きになる本』

木下慎次『消防車が好きになる本:知っていれば消防車を見る目が変わる』(イカロス出版 2002)をパラパラと読む。
著者の木下氏は、防災関連の本を何冊も出しており、レスキュー関連のイベントなどを手がけるライターである。
タイトルには「消防車が好きになる」とあるが、実際は「好きな人しか読まない」本であった。語り口はソフトなのだが、各地の消防署でオーダーメイドで作製される消防車の類別やポンプやハシゴの仕組み、消防車の写真の撮り方など、マニアックな内容であった。決して子供向けの本ではなく、これぞマニア向けという内容の本であった。

『驚きのマテリアル』

日本化学会編『驚きのマテリアル』(大日本図書 1994)をパラパラと読む。
半導体やカーボンナノチューブなど、先端の工業製品には欠かせない。