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「香港 100万人デモ」

本日の東京新聞夕刊に,香港で「一国二制度」崩壊への懸念から,1997年の香港返還後最大のデモが行われたとの記事が載っていた。デモの規模もさることながら,デモを規制する警察や香港当局の姿勢に着目したい。

香港と言っても,10代の若い人にとっては,上海や杭州といった沿岸部都市の一つという認識しかないかもしれない。返還直後こそ日本のメディアは歴史の転換点だと囃し立てたものの,その後の香港の政情に関する報道はめっきり少ない。日本のマスコミは,中国共産党の政治的抑圧が喧しい新疆ウイグル自治区やチベット自治区,発生30年を迎えた天安門事件などをしっかりと取り上げてほしい。

また,教科書ではあまり取り上げられないが,1941年の12月から1945年の8月まで,香港は日本の占領下にあった。1941年12月のシンガポール(昭南島)攻略と合わせて覚えておきたい。香港の隣にある澳門(マカオ)は第2次大戦中に中立保っていたポルトガルの租借地だったため,日本軍も手を付けていない。

「米,GAFA調査へ」

本日の東京新聞夕刊に,アメリカ政府と規制当局がそろってグーグル,アップル,フェイスブック,アマゾン・コムの4社を反トラスト法(独占禁止法)で対処を検討しているとの記事が掲載されていた。

反トラスト法とは,資本主義の根幹である自由競争そのものを阻害する独占資本の形成を規制するという法律である。昨年の授業でも扱いましたが,GAFAは多国籍企業で脱税の疑いもあり,米国だけの監視強化でなく,他国的な枠組みでの調査が求められる。

また,今回の反トラスト法であるが,日本では独占禁止法という法律で知られている。独占禁止法は内閣府の外局として置かれている公正取引委員会が運用するものである。
そもそも公正取引委員会が誕生したきっかけは,1945年10月にマッカーサーが幣原首相に口頭で伝えた五大改革の目玉である経済機構の改革が端緒となっている。三井や三菱,住友などの資本独占である財閥を解体する過程で設置されたものである。戦後の経済制度・労働改革はGHQ政策の要点となるので,日本史受験者は復習しておいてほしい。

安倍総理のポツダム宣言・東京裁判の認識

1945年7月に出されたポツダム宣言の第6項には次のように書かれています。

6.日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和と安全と正義の新秩序も現れ得ないからである。

動画の中で,細野議員も指摘しておりますが,東京裁判がポツダム宣言第6項に基づくという点は誰しもが理解できるところです。安倍総理自身もポツダム宣言を受諾し,東京裁判を経てサンフランシスコ講和条約に至った歴史的流れを踏まえているものの,東京裁判史観を肯定することに対する追及に対しては、言葉巧みに避けているように見えます。

一人の教員として,私自身は議論の是非について論評することはできません。しかし,東京裁判の評価についていまだに議論が続いており,皆さん一人ひとりが歴史認識を持つことが大事となります。