地理」カテゴリーアーカイブ

「故郷の味 仕事の活力に」

本日の東京新聞朝刊に、埼玉県川口市のクルド人シェフによるトルコ料理のキッチンが紹介されていた。今年度の授業のポイントが多文化理解と受け入れである。道徳の授業ではないので、キレイ事を繰り返すつもりはない。クルド人が追われたトルコやシリア、イラン、イラクの歴史的・地理的な背景を交えつつ、正しく理解することを目標としたい。

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「日本で製粉『小麦』人気」

本日の東京新聞夕刊に日本で製粉した小麦粉がシンガポールで人気を博しているとの記事が掲載されていた。しかし、どこにも日本産の小麦とは書いていない。日本は小麦輸入大国なので、おそらくはアメリカ、カナダ、オーストラリア産なのであろう。

これでは鉄鉱石やレアメタルを輸入して製品として輸出するのと同じ加工貿易である。日本の質の高い製粉技術が評価されているのであろう。しかし、こうした加工技術は得てして真似されやすいので、日本製のブランドを高めるアイデアが大切である。

「入管法改正案 永住取り消し規定」

本日の東京新聞朝刊に、台湾出身の芥川賞作家の李琴峰さんのインタビュー記事が掲載されていた。一昨日の衆院法務委員会で、永住資格を取得した外国籍の方でも税金や社会保険料を払わないと、永住許可の取り消しを可能とする改正案が可決された。おそらくは、日本に来て政治や宗教、言語など何らかの理由によって、日常の生活を送っていない一部の外国籍の人を強制送還する仕組みを作りたいのであろう。記事の中で李さんが指摘するように、すでに税金や社会保険料を納めない人を罰する法律がある。そうした当然行われるべき自治体の業務を飛び越えて、政府が強権的態度をちらつかせるというのは、およそ真っ当な法治国家ではない。

遅刻が多いとか、試験の点数が取れないとか、暴言を口にしてしまった生徒に対しては、それぞれの担当の先生が日常生活指導や特別補習、場合によっては謹慎指導などを行うのが筋である。学校はある程度の失敗が許容される場所である。そうした改善なり指導なりの前に退学をチラつかせられては、落ち着いて学校生活を送ることはできない。

同じように、永住権剥奪という錦の御旗を出されては、ますます日本で働く外国人が減ってしまう。労働力の不足に悩む日本だからこそ、社会全体を見通す力が大切である。

「川口市 外国籍の子ども増加」

本日の東京新聞朝刊の埼玉版に、川口市で外国籍の子どもが増えており、現在は川口市の予算で日本語教育を行なっているが、国が責任を持って財源を確保するように、奥ノ木信夫川口市長が要望書を提出したとの記事が掲載されていた。

記事によると、川口市の小中学校に通う外国籍の児童生徒3134人のうち、半数にあたる1538人が日本語のサポートが必要な状態だという。中国籍の児童生徒が多いが、トルコ系のクルド人も1割程度に増加しているとのこと。

奥ノ木市長は財政負担に触れ「国が外国人の入国を認めている以上、国が責任を取って全額支援してほしい」と強調。さらに「在留資格がなくても働いて税金を払いたい、健康保険に入りたいという人もいるが、現行制度では難しい。国でしっかりした制度をつくってもらいたい」とも述べている。至極まっとうな要望である。応援したい。

「南海トラフ震源域 終わらぬ審査」

本日の東京新聞朝刊に、東日本大震災後に全面停止した静岡県御前崎市の浜岡原発が全停止して13年目を迎えるとの記事が掲載されていた。中部電力は早期の再稼働に向けて動き出しているとのことだが、いったい東日本大震災から何を学んでいるのか。学ぶべきは自然の脅威と、自然に対し驕り高ぶることなく、真摯に畏れる気持ちである。

ちなみに、気象庁のHPに掲載されている「南海トラフ地震で想定される震度」を引用しておきたい。浜岡原発の場所も図示しておいた。「世界で一番厳しい場所にある」との声もあるほど、大震災、大津波が直撃する場所にある。再稼働の審査そのものが非現実的な内容であることは言うまでもないであろう。