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参院選挙結果

本日の夕刊に、朝刊には間に合わなかった参議院選挙比例代表の結果が掲載されていた。
ちょうど100万票で名簿の上から一人ずつ合格していくという計算だったので、各党派の勢力状況が分かりやすかった。自民党は比例で2000万票余り集めており、当選は19名、民進党は1100万票で当選11名、公明は750万票で当選7名、共産が600万票で5名、大阪維新が500万票で4名、社民が150万票で1名、生活が100万票で同じく1名の当選となっている。衆議院に比べ比例復活といったややこしい制度もなく、すっきりと選挙での民意を反映しているように思う。7対3、いや8対2くらいで与党の勝利となったが、野党統一候補も決して良くはないがそれなりの戦いをした。
いまだに、私が投票した人物は落ちるというジンクスは続いているが、憲法改悪阻止、反安保、脱原発、格差社会是正に向けた戦いは、これからも続いていく。1年くらい前の新聞記事にあったが、全部勝てる訳ではない。でも勝ち負けを繰り返しながらも反対の声を上げ続けていくエネルギーが大事なのである。勝負は終わっていない。

「不信任が独裁を生むジレンマ」

本日の東京新聞朝刊の「時代を読む」というコラムで、哲学者内山節氏の文章の一節が印象に残った。
内山氏の持論でもあるお互いの顔や生活が見える「里山」的な世界のあり方を説く内容となっている。最近の雑駁なニュースから持論まで展開していく丁寧な文体は参考にしたい。
コラムの一部を引用してみたい。

 (英国のEU離脱を巡る国民投票の実態から)英国の国民投票は、中下層の大衆の反乱によって離脱が決まったと解説されているが、実際には、エリート層とそれに同調する人たちの反乱が起きているのではないだろうか。だがそれは、かつてのような社会全体の改革を求める反乱ではない。国のあり方は自分にとっても重要ではないという「反乱」がすすみ、それに同調する人たちの裾野が広げられていく。
 そういう動きが先進国では一般化してきている。米国の大統領選挙はニュースでみる限り盛り上がっているようにみえるが、最近の投票率は大統領選で50%台、国会議員の選挙だと40%前後である。
 だがそうなればなるほど、組織票をもっているところが選挙で勝ち、「民主的な制度の下での独裁」がすすんでいく。人々の意識のなかで国家の価値が低下し、信任する必要性のないものになっても国家は存在し、その政策によって私たちは影響を受ける。
 人々の意識が離れていくというかたちでおこっている国家の空洞化が、逆に独裁的な政府を成立させるのである。直視しなければいけないのは、現代世界にひろがっているこのジレンマなのではないだろうか。
 おそらくこの問題の解決は、日常的に関われる世界に権限を移譲する以外にはないのだろう。地方分権、地域主権を徹底する道である。とともに、空洞化し、独裁化していく国家と向き合う作法を、私たち自身も確立しなければならなくなっている。

「ジャガー」全国急襲。

本日の東京新聞「TOKYO発」より。あまりのインパクトに引用してみた。

jaguar

ハスキーボイスで千葉愛を歌うロックミュージシャンの「JAGUAR」さんの知名度が急上昇しています。千葉テレビの応援団長に就任。世を忍ぶ仮の姿は「洋服直しチェーン店経営者」だそうです。

「基地のない沖縄へ 踏ん張って戦う」 辺野古抗議で拘束 目取真さんが講演

本日の東京新聞朝刊に、目取真俊さんの講演の記事が掲載されていた。「今後も拘束されることがあるかもしれないが、組織的な支援態勢をつくり、権力の弾圧をはね返す強さが必要だ」という目取真さんの言葉に、運動の仲間の結束の強さをひしひしと感じる。本日の朝刊は他にも壕(ガマ)の平和教育や小林節氏らが立ち上げた政治団体「国民の怒りの声」の記事、大学の非常勤講師の待遇など読みどころが多かった。

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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設への抗議活動中に拘束、逮捕された沖縄県在住の芥川賞作家、目取真(めどるま)俊さん(55)が十四日夜、東京都内で講演した。目取真さんは「今後も拘束されることがあるかもしれないが、組織的な支援態勢をつくり、権力の弾圧をはね返す強さが必要だ」と訴えた。

 目取真さんは、日本の米軍基地の多くが沖縄にある現状について「沖縄が基地を誘致したわけではない。沖縄は基地のおかげで潤っているというような言説があるが現状は違う。基地がない方が沖縄の観光のためになる」と語った。

 目取真さんは四月一日、米軍キャンプ・シュワブ周辺の立ち入り禁止区域に許可なく入ったとして、米軍に約八時間拘束された。その後、中城海上保安部に逮捕されたが、那覇地検は翌日、処分保留で釈放。目取真さんは今月十二日、拘束は適正な手続きを取っておらず違法だとして、国に慰謝料など約六十万円を求め、那覇地裁に提訴した。

 講演で目取真さんは「拘束中に弁護士との接見を何度も求めたが聞き入れられなかった。治外法権の怖さを、身をもって体験した」と振り返った。「努力を怠ればもっと悪い状況は着実にやって来る。踏ん張って戦わないといけない」と決意を新たにした。

 講演会を企画したのは、精神科医の香山リカさんと作家の中沢けいさんらで、講演後に「路上で抗議する表現者の会」を設立。香山さんは「不当に逮捕された表現者を支えるネットワークをつくりたい。萎縮ムードに一矢報い、表現者が政治的発言を自由にできるようにするのが私たちのゴールだ」と述べた。

「日米安保 考える好機に」

米大統領候補で共和党候補の指名を確実にした不動産王ドナルド・トランプ氏が在日米軍基地を巡って、過激発言を繰り返している。「その国を守っているのだから、経費すべてを駐留国側に負担させるべきだ」「財政赤字を抱える米国に世界の警察官となる余裕はない。自動車産業で経済大国になった日本を、なぜ米国の経費で守らなければならないのか」。2004年の米国防省資料によると、日本は条約上の義務を超えて米軍の費用を負担する「思いやり予算」を支出しており、日本の負担は既に在日米軍経費全体の74.5%、基地がある自治体への交付金などを含めると7000億円を優に超える額に達している。

本日の東京新聞朝刊に、ちょうど自分が考えていたことと全く同じ内容のコラムがあった。まとめるのも面倒なのでそのまま引用しておきたい。

 この要求は妥当なのか。元外務省国際情報局長の孫崎亨氏は「妥当かどうかを考える前に、日米安保体制を見直す、いい機会。トランプ氏はその主張を続けてほしい」と話す。
 「米国には『日本の安保ただ乗り論』という誤った認識もあるが、日本駐留は米国の世界戦略の一環。『それならお引き取りを』と言われて困るのは米国だろう」と指摘する。
 南沙諸島で中国が存在感を増しているが、日本から米軍が撤退しても東アジアの力関係は崩れないか。
 孫崎氏は「南沙で日本は当事国ではなく、東南アジア諸国連合(ASEAN)が主体的に取り組むべき問題だ」と解説。その上で「尖閣諸島は、国交正常化したときに日中両国は領有権の棚上げで合意した。それに戻ればいい。北朝鮮は日本が攻める意思さえ示さなければ、問題は起こらない」と推測する。
 安保問題に詳しい前泊博盛・沖縄国際大学教授も「米国に過度に依存している日本の安保や外交を議論するよい機会になる」とトランプ氏の主張を歓迎する。
 「日米安保条約をよく読めば、米国が必ずしも日本を守る必要はなく『片務』とはいえない。日米地位協定で米国が負担すべき経費を、実際には日本が肩代わりしている。現状の日本側の負担が妥当なのか、日米安保が本当に効果的なのかを考えるべきだ」
 ただ、トランプ氏の日本の核武装容認発言には「アジアを不安定化するだけで賛同しえない」と言う。
 とはいえ、「日米安保」といわれると思考停止に陥りがちな日本の事情を指摘しながら「トランプ氏が自分の頭で考えて、素朴な疑問を言葉にしていることは評価すべきだ。米大統領にふさわしい人物とは思わないが、見習うべきところはある」と語った。