読書」カテゴリーアーカイブ

『日本の神々』

上田正昭・鎌田純『日本の神々:「先代旧事本紀」の復権』(大和書房 2004)をパラパラと読む。
レポート作成の一助として手に取ってみたものだったが、道教の日本への受容について参考になる箇所が多くて、意外に読み応えがあった。

つい、先日武蔵大学の桃崎有一郎教授が、邪馬台国はヤマトと読むべきで、箸墓古墳こそが卑弥呼の墓であるとの新説を打ち出した。しかし、この本の中に次のような一節がある。こちらの方が桃崎教授よりも20年も早く「ヤマタイ=ヤマト」を主張しているではないか。

上田:邪馬台国の問題でも、「ヤマタイ」という読みは重箱読みなんですね。「ヤマ」と読んだら、普通は「ト」と読むべきです。「タイ」と読むなら、「ジャメタイ」と読むとか。「ヤマ」と読んだら「ト」と読まなければおかしいという意見に私も賛成です。しかし、これは日本人の読み癖のようなものです。江戸時代でもヤマタイ、ヤマタイと呼んで論争してきたのですから、それほど拘らなくていいと思います。でも正しくは「ヤマト」と読むべきでしょう。

『絵でみる 下水道のしくみ』

大内弘『絵でみる 下水道のしくみ』(山海堂 1987)をパラパラと読む。
「絵でみる」とあるが、子ども向けの絵本ではなく、ポンプや最初沈殿池などの仕組みを図解で示すという専門書に近い内容である。

トイレや台所、風呂場の排水口の下のS字に曲がった部分は何のためにあるのかと思っていたが、これは防臭トラップとよび、接続管の曲がり部に常時、水を滞水させ、下水管内の臭気が建物に侵入するのを遮断する装置である。

『緑の環境デザイン』

斉藤一雄・田畑貞寿編著『緑の環境デザイン:庭から国立公園まで』(NHKブックス 1985)を杉戸の銭湯でパラパラと読む。
東京町田市の旧鎌倉街道小野路が写真入りで紹介されていた。バイクでふと出会った光景は印象に残っている。

最近では、県や市など地方公共団体の手で整備が進められようとしている歴史の道も、少しずつ見られるようになってきた。それは、たとえ町裏を通るひとすじのかぼそい道であっても、それが町をつくり育ててきたかつての人たちのぬくもりに触れる道であってみれば、町の、そして村の立派な歴史の道である。その道をあらためて見直し、手づくりの道として育てることが、やがて手づくりの町につながる。
都市の大きな活動からみれば、町裏の車も通らぬ細道など取るに足りない道ともいえようが、人間のための町の風情は、実はこのような些細なものによって支えられているともいえる。

『知る技術!』

長場紘『知る技術!』(北星堂書店 2009)を読む。
著者は長らくトルコで暮らした、図書館情報学を専門とする研究者である。GoogleやWikipediaもある現代に、分からない言葉や読み方、人物、年号、語源などの調べかたを丁寧に解説している。

『大学で大人気の先生が語る〈恋愛〉と〈結婚〉の人間学

佐藤剛史『大学で大人気の先生が語る〈恋愛〉と〈結婚〉の人間学』(岩波ジュニア新書 2015)を読む。
大学通信制のレポートの参考文献として手に取ってみた。著者は九州大学大学院農学研究院の助教なのだが、モチベーションなどの講義をや講演を受け持っているようだ。気になった点を留めておきたい。

相手の中にある答えや意志を質問によって引き出すスキルをコーチングという。その基本は質問のやり方にあり、著者によると次の質問がよいという。

  1. 相手がすぐに答えられる質問
  2. 相手の考えがより具体化していく質問
  3. 5W1Hのオープンクエスチョン
  4. 過去ではなく未来を聞く質問
  5. 方法や内容を聞く質問
  6. 数値化する質問
  7. やるべきことが明らかになる質問
  8. 相手のやる気がでる質問

コミュニケーションの基本は話す力よりも聞く力である。相手に向き合う姿勢や視線、相槌が大切である。

アメリカの作家、デール・カーネギーは笑顔の持つ力、笑顔の意味について次のように書いている。

元手がいらない。しかも利益が莫大。与えても減らず、与えられた者は豊かになる。一瞬の間、見せればその記憶は永久に続くことがある。どんな金持ちでも、これなしでは暮らせない。どんな貧乏人も、これによって豊かになる。家庭に幸福を、商売に善意をもたらす友情の合言葉。疲れたものにとっては休養、失意の人にとっては光明。悲しむ者にとっては太陽、悩める者にとっては自然の解毒剤となる。買うことも強要することも、盗むこともできない。無償で与えてはじめて値打ちが出る。