地理」カテゴリーアーカイブ

「レジ袋有料 来年4月にも」

本日の東京新聞夕刊に,プラスチックごみによる海洋汚染への対処として,経済産業省が音頭をとって,来年4月にもレジ袋の有料化を実施するとの記事が掲載されていた。
記事内容には全く問題がないのだが,深刻な海洋汚染問題に対し,レジ袋の袋の削減だけで事足れりという安易な考えは否定しておきたい。今現在も福島第一原発事故の汚染水が海洋に流出し続けている。また,住民の意向を無視した辺野古基地建設に伴い,水質汚染,生態系の破壊も進行中である。

政治的・外交的なアピールを優先したり,安直に解決策を矮小化したりするのではなく,数字的データに基づいた有効な海洋汚染への解決策を提示したい。

それにしても,レジ袋が数十円になったら,スーパーやコンビニのレジの風景も大きく変わることだろう。

「都市の局地的豪雨」

本日の東京新聞朝刊記事より。
ゲリラ豪雨ないし局地的豪雨でも,雨が降る仕組みは授業中に説明した通りです。但し,都会は熱をためやすいコンクリートやアスファルトにより地表面が暖められるため,急激な上昇気流が発生することになる。これに加えて上空に寒気が入ってきたとき,気温差の拡大により不安定な積乱雲が発生し,1時間に100ミリを超えるような猛烈な雨が降ることになる。また,コンクリートやアスファルトは水を通しにくいので,地下鉄の通路や地下街に雨水が流れ込む都市型災害を引き起こしやすい。

この点は地学基礎と内容が重なります。都市型災害は他にも事例があるので,押さえておきたい。

「日本最西端 260㍍北北西へ」

本日の東京新聞朝刊に,日本の最西端を与那国島の西沖にあるトゥイシに変更するとの記事が掲載されていた。国連海洋法条約で,沿岸国は自国の基線から200海里(370km)内の水産や鉱物資源をに関する独占的な権益を有する排他的経済水域(EEZ)が認められている。東シナ海において改めて日本のEEZを知らしめようとするものである。しかし,記事にある通り,やっと満潮時にやっと顔を出すような岩を日本の国境線とするのはあまり好ましい判断ではない。このような大勢に影響がないのに,せせこましい国境認定をしてしまうと,他国の政策を批判ができなくなる。すでに沖ノ鳥島のような「無理」をしているのに,同じような無理を重ねることに意味があるのだろうか。

ちなみに日本最南端は沖ノ鳥島,最東端は南鳥島,最北端は択捉島となっている。沖ノ鳥島の現実の姿と,容易に足を踏み入れることの出来ない択捉島の歴史は確認しておきたい。

「香港 100万人デモ」

本日の東京新聞夕刊に,香港で「一国二制度」崩壊への懸念から,1997年の香港返還後最大のデモが行われたとの記事が載っていた。デモの規模もさることながら,デモを規制する警察や香港当局の姿勢に着目したい。

香港と言っても,10代の若い人にとっては,上海や杭州といった沿岸部都市の一つという認識しかないかもしれない。返還直後こそ日本のメディアは歴史の転換点だと囃し立てたものの,その後の香港の政情に関する報道はめっきり少ない。日本のマスコミは,中国共産党の政治的抑圧が喧しい新疆ウイグル自治区やチベット自治区,発生30年を迎えた天安門事件などをしっかりと取り上げてほしい。

また,教科書ではあまり取り上げられないが,1941年の12月から1945年の8月まで,香港は日本の占領下にあった。1941年12月のシンガポール(昭南島)攻略と合わせて覚えておきたい。香港の隣にある澳門(マカオ)は第2次大戦中に中立保っていたポルトガルの租借地だったため,日本軍も手を付けていない。