投稿者「heavysnow」のアーカイブ

長崎3日目

🐳平和集会フィールドワーク

昨日より2日間にわたって日教組平和集会が行われました。
昨日は講演会と分科会で、本日は夏日の中のフィールドワークでした。

長崎県教職員組合の方の案内で、平和公園内を出発し、爆心地公園や山王神社、長大医学部、浦上天主堂などを回ってきました。有名な平和祈念像が1955年当時に設置された時に指摘された疑念や中国のモニュメントのみ鉄柵で囲われている経緯、浦上天主堂が米国の思惑で保存されずに解体されてしまった背景などが理解でき、一味違ったフィールドワークを味わいました。

平和教育は、「原爆が落下されて悲しい被害がありました」という単線的な見方だけではなく、「原爆投下の背景にある被害と加害の両面からの検証、そして核兵器廃絶に向けて個人で何ができるのか」と問う主権者教育であるというガイドの方の熱い思いを受け取ってきました。

『イヌ・ネコ・ネズミ』

戸川幸夫『イヌ・ネコ・ネズミ:彼らはヒトとどう暮らしてきたか』(中公新書,1991)をパラパラと読む。
著者は動物の専門家ではなく、毎日新聞の記者出身で、『高安犬物語』という作品で直木賞も受賞している小説家である。また、ウィキペディアには「動物に関する正しい観察・知識を元にして動物文学を確立させ、日本においては椋鳩十と並ぶ第一人者」と紹介されている。

富山市科学博物館のホームページによると、ネズミやリスの仲間である囓歯目(げっしもく)とよばれる動物の仲間は、現在までに世界中に2300種以上(2022年現在)が知られている。現在、学名がついている哺乳類仲間が約6500種(2022年現在)なので、哺乳類の40%ほどを占めるそうだ。

これだけ人間に馴染みのあるイヌやネコ、世界で一番種類の多いネズミであるが、その習性や行動、認知能力はまだまだ分からないことが多いのである。

長崎1日目

15年ぶりの長崎
日教組の平和集会の運営委員として、一足早く長崎入り。
12月の寒さだった埼玉と違って暑い!
下の写真の宝雲亭は揚げ餃子と唐揚げの専門店である。ラーメンやチャーハンといったメニューはない。結構飲んだ。

『地名に隠された「東京津波」』

谷川彰英『地名に隠された「東京津波」』(講談社+α新書,2012)を読む。
東日本大震災が起こった2011年に執筆された本である。1923年の関東大震災は小田原沖の内陸直下型地震であったため、幸い東京湾が津波に襲われることはほぼなかった。しかし、伊豆・小笠原海溝付近で海溝型地震が発生し、7〜8メートルの津波が東京23区を襲った際に、どこが浸水するのかというシミュレーションとなっている。

大正14(1915)年に刊行された「東京市高低図」をもとに、上野や後楽園、高田馬場、市ヶ谷、恵比寿m、五反田、谷根千地域など、海抜10メートル以下の被害予想が詳細に解説されている。東京都区部は西側は標高20〜30メートルの洪積台地である武蔵野台地が広がっており、津波の心配はまったくない。しかし千葉県側の下総台地に挟まれた東京都区部の東側は沖積平野であり、津波の被害をもろに受けてしまう。本書では特に、山とか丘という地名が多い山の手と橋や川という地名が多い下町を結ぶ周縁部を中心に取り上げらている。

こうした場所は縄文海進の際の波食台に位置している。ちなみに「海進」とは「海が陸地の奥に進む」ことを意味しており、その反対を「海退」と呼んでいる。

海抜ゼロメートル地域が広いのは以下の順番となっている。

  1. 愛知県…370平方キロメートル
  2. 佐賀県…207平方キロメートル
  3. 新潟県…183平方キロメートル
  4. 東京都…124平方キロメートル

上記のうち、愛知県は木曽川・長良川・揖斐川が合流する濃尾平野を抱えており、輪中で知られているのですぐにわかる。佐賀県と新潟県は意外であった。

東京江戸川区に小松川という町名があるが、かつての小松川という川が流れていたそうであるが、現在は不明となっているが、かなり大きな川であったようだ。その下流域で栽培され有名になったものが「小松菜」である。

『敦煌の旅』

陳舜臣『敦煌の旅』(平凡社,1976)をパラパラと読む。
前半は甘粛省の酒泉から敦煌に向かうまでの旅日記だったので面白かった。

葡萄 美酒 夜光杯
欲飮 琵琶 馬上催
醉臥 沙場 君莫笑
古來 征戰 幾人囘

上記は有名な王翰の「涼州詞」と題する七言絶句である。酒泉周辺の河西地域で作られた民謡だといわれている。教科書にも載っている有名な漢詩であるが、作者の王翰は後にも先にもこの一作しかないというではないか。陳舜臣氏も「この詩を残すためにうまれてきたようなものです」と評している。

中国の内モンゴル自治区からモンゴルにかけて広がる「ゴビ砂漠」は語調も相俟って、印象深い地名である。しかし、土地の人は「戈壁灘(ゴビタン)」と呼んでおり、粒子の細かい砂丘上の土地を「沙漠」といい、石ころの多い砂礫の原を戈壁(ゴビ)といって使い分けている。ゴビは固有名詞ではなく、普通名詞だったのである。

また、ウイグル自治区の一角を占めるトルファンであるが、その市街地のほとんどが海抜0メートル以下の土地であり、最も低いところは海抜マイナス154メートルとなっている。夏と冬の寒暖差が大きい大陸性気候である。

序章以降は敦煌の仏像の話がメインで、読み飛ばしてしまった。